神社の基本

どうして菅原道真が天神さま、学問の神様になったのか

2021-07-10

周囲を明るく照らす子
怨霊と言われていた菅原道真がどうして現在、学問の神として若い受験生もみんなんが知る存在に変化したのでしょうか?
Ken
変遷を順に追って、現在の姿をみてみようと思います

 

学問の神様になるまでのステップ

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1
 学者の家系から文人へ 

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2
 律令制度下の国家試験への合格によって政治家へ 

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3
 醍醐天皇のときの55歳で右大臣へ 

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4
 政治や学閥の暗闘の中で藤原時平の讒言で太宰府に左遷、2年後没。道真の祀廟を建立 

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5
 都での天変地異、藤原時平の病死(39歳) 

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6
 930年の宮廷紫宸殿への落雷(道真が雷神と結びつく)で死傷者、醍醐天皇の崩御 

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7
 道真の怨霊の怒りを鎮めるために北野天満宮創祀 

ポイント

人から神へ

(徳川家康や豊臣秀吉をあげるまでもなく、日本では実在の人間が「神」になります。

人の死は私達は、穢(けが)れと捉えてきました。

この穢れが清まるまでの期間を経て、(33年とか50年とか言われます)「弔(とむら)い上げ」を済ませた「ほとけ」は「神」になります。祖霊崇拝といわれるような

考え方が日本人の根本には存在していることが理由だと思います)

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8
 怨霊として受け取られる事件の収束 

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9
 平安時代末期から鎌倉時代の『天神縁起』。慈悲の神、正直の神、冤罪を晴らす神、和歌・連歌など芸能の神として信仰 

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10
 江戸時代以降は、道真が生前優れた学者・歌人であったことから、学問の神として寺子屋などで盛んに信仰 

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11
 天神様に縁日への参拝が恒例となり、現在の学問向上・受験合格祈願の契機になった 

 

メモ

北野天満宮では、毎月25日に道真の縁日として境内で骨董市が開かれる。これは、道真の誕生日、大宰府に流された日、死んだ日が全て25日だったことに由来する

 

太宰府天満宮と北野天満宮について

太宰府天満宮は、905年道真が死去した太宰府の地に創建された。

北野天満宮は、947年に創建された。

この2社は、それぞれ独立に創建されたものであり、どちらかがどちらかから勧請を受けたというものではなく、北野天満宮では「総本社」、太宰府天満宮では「総本宮」と呼称し、「天神信仰発祥の地」という言い方をしている。

両社の分社は1万社を超えている。

 

 

菅原道真の略歴

すがわら の みちざね

菅原道真

承和12年(845年)6月25日 生まれ
延喜3年(903年)癸亥2月25日没。享年59歳
従二位・右大臣。 贈正一位・太政大臣
書道で三聖の一人。(空海・菅原道真・小野道風)

 

 

貞観 4年(862年) 式部省試及第、文章生(18歳)
元慶 元年(877年) 文章博士(33歳)
仁和 2年(886年) 讃岐守赴任(42歳)
宇多天皇即位
寛平 2年(890年) 帰京
寛平 3年(891年) 式部少輔。左京大夫。兼・左中弁(47歳)
 同 6年(894年) 遣唐使派遣中止を進言。兼・侍従(50歳)
 同 7年(895年) 兼・近江守。従三位、中納言。兼・春宮権大夫(51歳)
延喜 元年(901年) 従二位(57歳)大宰権帥に左遷
 同 3年(903年) 大宰府にて没(59歳)
 同 5年(905年) 味酒安行、菅原道真の祠廟を建立(現在の太宰府天満宮地
長男高視以下、許されて本官に復す。
 同 9年(909年) 藤原時平、39歳にて没。(道真へのでっちあげの告げ口で道真を左遷させた張本人)
 同13年(913年) 長男菅原高視、38歳没。
 同19年(919年) 藤原仲平(時平の弟)の奉行により味酒安行建立の廟の上に社(現在の太宰府天満宮)を造営。
 同23年(923年) 四月、道真は右大臣に復され、正二位を追贈。左遷詔書を焼却。天変地異、疫病等を理由に延長と改元。
延長 8年(930年) 清涼殿落雷事件。醍醐天皇崩御。
天慶 5年(942年) 多治比文子に託宣。道真公を祀る(現在の文子天満宮
天暦 元年(947年) 近江比良宮の太郎丸にも託宣。
多治比文子らと共に協力し北野の地に道真公の祠を移す。(現在の
北野天満宮
道真孫・僧平忠、安楽寺(現在の太宰府天満宮)別当。
永延 元年(987年) 一条天皇が北野天満宮にて勅祭(天皇が命じた特使による祭祀)を行い、天満宮天神の神号を賜る。
 同 3年(992年) 安楽寺、天満天神の託宣を注進。
正暦 4年(993年) 5月、正一位・左大臣を追贈。
閏10月、太政大臣を追贈。
勅使菅原幹正、安楽寺に下向。

 

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