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神話|日本書紀 第九段<本文> 国譲りと天孫降臨

2021-06-20

ポイント

神社巡りをしてこの「国譲りと天孫降臨」の神話について理解があれば、神社巡りが一層深い意味をもって、楽しめるようになると思われます。

簡単で構いませんので、ストーリーの概略と登場神様の名前を少し記憶に留めていただければ神社が興味深くなります。

国譲りの交渉開始

高天原(たかまのはら、天上の国)を治める天照大御神(あまてらすおおみかみ)

は、大国主神(おおくにぬしのかみ)の治める豊葦原瑞穂の国(とよあしはらみずほのくに、地上の国、現在の日本のこと)は

孫の瓊々杵命(ににぎのみこと)が治めるべきと考えられ、大国主神に国を譲渡するように要求しました。

 

諸々の神の意見で地上への使者として天穂日命(あまのほひのみこと)が派遣されましたが、

何の返事もなく3年が過ぎたため、2度目の使者として天稚彦(あめわかひこ)を派遣されました。

しかし大国主神の娘と結婚して国譲りの要求をされませんでした。

 

3度目の使者として武甕槌神 (たけみかづちのかみ)と経津主神(ふつぬしのかみ)を派遣し、

武甕槌神は出雲の国の五十田狭(いたきの)小汀(おはま、稲佐の浜:冒頭の写真が現在の稲佐の浜)に降り、

長い剣を波打ち際に逆さに立て、その刃先にあぐらをかいて大国主神と談判をされました。

 

大国主神

自分の一存では何とも答えられない。出雲の美保の崎 (みほのさき)で釣りをしている息子の事代主神(ことしろぬしのかみ)が答えるのがよい

といわれ、判断を子神(事代主神)に委ねました

ココに注意

自らが大切に育んできた国の譲渡という大事なことを何故子神に委ねるのか?

後継者として十分に力量ある神と父親として信じていたため息子の判断を信じようとしたのでしょうね

ココがポイント

美保の崎で釣りをしていた事代主神のもとへ、(のんびりと釣りをしているイメージ。これが釣りして魚を抱えているエビス様と習合して事代主神=エビス神、というイメージが定着)

出雲より使者が乗った早船(はやふね、諸手船)が遣わされました。

 

事代主神は、その使者に「今回の天つ神(あまつかみ)の言葉には、父上は抵抗しない方が良いでしよう。私も仰せに逆うことは致しません」と即座に答えると、

天逆手(あめのむかえで、拍手、具体的な動作そのものは分かっていない)を拍ち、踏み傾けた船を青柴垣に変化させ、その中に身をお隠しになりました。

(注:青柴垣神事は現在も美保神社で、毎年4月7日に行われる神事)

 

<「古事記」にはあるが「日本書紀」では記載がないエピソード>

事代主神の弟・建御名方神(たけみなかたのかみ)は国譲りに反対し建御雷神と力比べをしましたが敗れてしまい、建御雷神はふたたび大国主神に国譲りの意思を問います。

大国主神

私には何の異存もありません。ただひとつ、国を譲る代わりに私の住居として、大きく立派な御殿を建てていただきたい。自分の子供たちは、事代主神が率先して天つ神(あまつかみ)の子孫に仕えるのであれば、それに従わない者はいない。

と返答されました。

そこで建御雷神は望み通り出雲国に立派な御殿を建てました。(現在の出雲大社)

その後、天孫降臨・神武東征が成り現在の日本国家が成立していきます。

 

<「日本書紀」では以下のように記載>

「私(大国主神)が頼みとした子はもういません。だから私も身を引きましよう。」と言われた。

大国主神は国を平定したときに用いた広矛を渡し、

 

大国主神

「私はこの矛で事を成し遂げました。天孫もこの矛を用いて国を治められたら、きっと平和な国になるでしょう。今から私は幽界(ゆうかい:死後の世界のこと)に参ります。

と言い、隠れてしまわれた。

天孫降臨

高皇産霊尊(たかみむすひのみこと)は、真床追衾(まとこおうふすま:玉座を覆う襖、布団)で、瓊璦杵尊(ににぎのみこと)を包んで降ろした。

皇孫(瓊璦杵尊)は日向の襲(ひむかのそ)の高千穂の峯(たかちほのみね)にお降りになった。

皇孫は更に進んで、槵日の二上(くしひのふたかみ)の天の梯子(あまのはしご)から、 浮島の平な所に立って、良い国を求めて、

吾田国(あたくに:南九州・阿多地域)の長屋の笠狭崎(かささのみさき)にお着きになった。

そこに人がいて、自らを事勝国勝長狭(ことかつくにかつながき)と名乗った。

(いろいろな場所がでてきますが、要するにドンドンと進んでいると人に会い)皇孫が、

「国があるのかどうか?」と尋ねると、その人は答えて、

「国があります。お気に召しましたら、どうぞゆっくりしてください」

と言う。それで皇孫はそこに止まられた。

 

その国に木花開耶姫(このはなさくやひめ)という美人がいた。

皇孫がこの美人に、「あなたは誰の娘ですか?」

と尋ねられた。

「私は天つ神(あまつかみ)が大山祇神(おおやまつみのかみ)を娶とって生まされた子です」

と答えた。

 

皇孫と一夜だけ過ごすと妊娠したため、皇孫は偽りだろうと思い、

「たとえ天つ神であっても、どうして一夜の間に妊娠させることができようか。 お前が妊娠したのは我が子ではあるまい」

と言われた。

 

すると、姫は怒り恨んで、無戸室(出入り口のない小屋)を作り、その中に籠もって、誓約(せいやく)の言葉を述べ、

「この子が、もし天孫の子でないならば、きっと焼け滅びるでしょう。もし本当に天孫の子ならば、火も損なうことは出来ないでしょう」

と言い、そして火を付けて室を焼いた。

 

燃え上がった煙から生まれ出た子を、火闌降命(ほのすそりのみこと)と名づけた。

これが隼人(はやと)の始祖である。

 

次に熱を避けてお出でになるときに生まれ出た子を、彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)と名づけた。

 

次に生まれ出た子を、火明命(ほのあかりのみこと)と名づけた。これが尾張連(おわりむらじ)の始祖である。

 

全部で三人の御子(みこ)である。

 

まとめ

<国譲り>
・高天原(たかまのはら、天上の国)を治める天照大御神(あまてらすおおみかみ)は、大国主神(おおくにぬしのかみ)の治める豊葦原瑞穂の国(とよあしはらみずほのくに、地上の国、
現在の日本のこと)は孫の瓊々杵命(ににぎのみこと)が治めるべきと考えられ、大国主神に国を譲渡するように要求
・大国主神は、息子の事代主神に聞いてくれと言い、事代主神は、「今回の天つ神(あまつかみ)の言葉に従うと言って国譲りは成立

<天孫降臨>
・高皇産霊尊(たかみむすひのみこと)は、瓊璦杵尊(ににぎのみこと)天上の国から地上の国に降ろした
・木花開耶姫(このはなさくやひめ)という美人と出会ってしまって、子宝に恵まれることになった

 

 

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