冒頭の写真は、2021年夏越の祓え準備完了した、筑後の国、一の宮の高良大社さんの茅の輪です。
山道を延々と上り続けた(私は公共交通機関派なのでバスで最寄りの登山口まで行き、その後、徒歩で山道を登り続けて到着します。別途参拝記事をUpする予定です)
拝殿と逆の方向を見渡すと広がる視界に感動します。
はてな
蘇民将来(そみんしょうらい)とスサノオノミコトの話は、「蘇民将来」という名前にでくわすことがあり、なんだろう?と疑問に思っていました。
逸話の内容を読み込んで要約してみましたので、気になっていた方はご覧ください。
また、「茅の輪」との関係がスッキリ解けた気がしました。
逸話について(蘇民将来とスサノオノミコトとの関係)
逸話の出所
『備後国風土記』(びんごのくにふどき)は、奈良時代初期に編纂された備後国の風土記。
鎌倉時代中期、卜部兼方(鎌倉時代中期から後期にかけての官人・神道家)によって記された『釈日本紀』に、「備後国風土記逸文」として「蘇民将来」の逸話が伝存している。
昔、北の海におられた武塔神 (むとうのかみ) と称される神が、南の海の神の娘のところへ行かれる途中で日が暮れてしまった。
そこに蘇民将来と巨旦将来 (こたんしょうらい) という二人の兄弟がいた。
兄の蘇民将来はたいへん貧窮していが、弟の巨旦将来は富裕層で、家も蔵も百も持っていた。神は一夜の宿を弟の巨旦将来に頼まれたが、
弟は泊めることの費用を惜しんで断った。
兄の蘇民将来のところで同様に泊まることを頼まれると、兄は快く迎えた。
しかし貧乏なので、貧しいながらも精一杯もてなして泊めた。
年を経て、八人の子を連れての帰り道、蘇民将来のところへ立ち寄られた。
「巨旦将来への報いと、一夜の恩を受けた蘇民将来のために何かしてやりたいが、お前の子や孫はいるか」と聞かれると、
蘇民将来は「私と娘と妻がいます」と答えた。
すると武塔神は「茅の輪 (ちのわ) を腰の上につけておきなさい」と言われたので、そのとおりにした。
ところがその夜のうちに、蘇民と妻子以外の、周りに住む人々がことごとく死に絶えほろぼされてしまった。
その時神は「私はスサノオノミコトである。今から後の世に疫病がはやれば、お前達は “ 蘇民将来の子孫 ” といって、茅の輪を腰につけなさい。
そうすれば疫病から免れるだろう」と言われた。
茅の輪も、最初は人々が腰につけるほどの小さなものでしたが、時代がたつにつれて大きくなり、これをくぐって罪やけがれを取り除くようになりました。
この逸話から「茅の輪 (ちのわ)」は疫病除け、悪災疫除け、身についてしまった厄を払うものとして重要な役割を果たしてきました。
メモ
ちょっとケチな弟が泊めてくれと頼んできた人を泊めなかっただけで(どんなヤツで何を考えているのか分からないのに、今でもそうそう泊めてくれる家庭はないように思います)
泊めなかったら、疫病にかかって死んでしまうんですよ。。。。
結構、残酷な話です。反対に考えるとそれほどまでに一般的に、非常に多くの人が疫病で亡くなり、助かった人の数が少なかった、という当時の目の前で起こる普通の状況だったのでしょうね。
他人を家に泊めるか否かの道徳観を問うている話ではなく、あくまでもスサノオノミコトのご神威の強烈さを伝える意味のものと、サラッと読み流しましょう。
茅の輪くぐりはいつ行われるのか?
正確には、まず、神事として、「大祓(おおはらえ))の神事が行われます。
大祓には、夏越の大祓(6月30日)と年越の大祓(12月31日)があります。
大祓は人が知らず知らずのうちに犯した罪や過ち、心身の穢れを祓い清めるものです。
罪穢れを人形(人を形どった人形)に移して「大祓詞」を唱え、新たな気持ちで過ごすことができるように祈る神事です。
人形(ひとがた)の神が置かれていますので、自分の身体をこすり、息を吹きかける、ということをおこないます。
この神事の際に、茅の輪くぐりが実施されるのが神事としての茅の輪くぐりになります。
一般の参拝者が神社に設置してある茅の輪をくぐることはいつでもできます。(もちろん神社さんでくぐれる茅の輪を準備していただいた以降です)
どこでもあるという訳ではありませんが、みかけましたらぜひ通り抜けてください。(6月、12月に入って数日後に準備されていることが多いような気がします。
神社さんごとの作業の話なので正確でなくてすみません。6月ならば、6月20日以降に行けば確実です。ただし、前述通り、設置されていない小規模の神社さんもあるので
それなりに大きな神社さんに行ってみてください)
お作法がありますが、茅の輪のところに大きく記載されています。左回り・右回り・左回りと、八の字を書くように三度くぐり、進みます。手順をみながらゆっくりと
やれば難しいことはありませんので穢れをお祓いください。
私も毎年、小さな茅の輪を求めて、玄関にかけています。2021年6月の鹿島神宮の数量限定の茅の輪です