世界文化遺産 京都 関西

金閣寺・榊雲(しんうん)|金閣寺の歴史を紐解くカギがひっそりと佇んでいた

金閣寺と榊雲との関係キャッチ。背景は金閣寺

金閣寺古廟「榊雲」は 、金閣寺の順路の最初に出くわす売店の裏山に、人が分け入るのを拒むように、ひっそりと佇んでいた。

*古廟とは、古い神社のこと。

金閣寺の鎮守(神)として、金閣寺を守護するために祀られた神様。榊雲(しんうん)を理解することで金閣寺の創建当時の歴史、経緯が見えてくると思い簡単に取りまとめました。

榊雲(しんうん)の概要

  • 金閣寺の鎮守神
  • ご祭神 : 春日明神(または春日権現、春日神と呼ばれています)
  • 草むらを分入って先に進んで良いものかどうかはっきりしませんでしたので、離れた場所から写真だけ撮影。お参りしておけば良かったと後悔しきり。次回はしっかりとお参りしてきます

榊雲(しんうん)
写りが悪くてすみません。真ん中の後ろの方に榊雲は鎮座されています

ご祭神の春日明神と西園寺家との関係

西園寺家とは

西園寺家の実質的な祖とされているのは、西園寺 公経(さいおんじ きんつね)です。

生誕承安元年(1171年)
死没寛元2年8月29日(1244年10月2日)

つまり、平安時代末期から鎌倉時代前期にかけて活躍された公卿でもあり、『新勅撰和歌集』に選ばれ、ある一首が『小倉百人一首』にも選ばれるくらいに実力のある歌人でもありました。

19代さかのぼると、藤原鎌足にたどり着く由緒正しき系統の末裔です。

西園寺 公経(さいおんじ きんつね)の家系図

春日明神と西園寺家

多くの方はご存知かもしれませんが、春日大社は、藤原氏の氏神様です。

上図の藤原氏の系図に示したように、奈良時代後期、神護景雲2年(768年)11月9日に、当時の称徳天皇が出された勅命により左大臣「藤原永手」御蓋山(みかさやま)の山麓の現在存在する春日大社境内地に社殿を建立したことが創建の由来です。

これも上図で示した系図の通り、藤原氏の子孫である西園寺公経(さいおんじ きんつね)は、元仁元年(1224年)に現在の鹿苑寺(金閣寺)の辺りに 「西園寺」を建立しました。

併せて「北山第」と呼ぶ山荘を営んでいた場所であり、以後も公経の子孫である西園寺家が代々領有を続けていました。

鎌倉幕府滅亡と共に、西園寺家は没落の一途をだどり、「西園寺」は荒廃していきました。

室町幕府初代征夷大将軍  足利 尊氏(あしかが たかうじ)
室町幕府2代征夷大将軍  足利 義詮(あしかが よしあきら)
室町幕府3代征夷大将軍  足利 義満(あしかが よしみつ)
室町幕府4代征夷大将軍  足利 義持(あしかが よしもち)
室町幕府5代征夷大将軍  足利 義量(あしかが よしかず)

応永4年(1397年)、室町幕府第3代将軍 足利義満 が河内国の領地と交換に「西園寺」を譲り受けました。

足利義満 は大規模に改修を行い新たな姿に変え、「北山山荘」は、当時「北山殿」または「北山第」と呼ばれるようにありました。

邸宅といっても感覚は全く異なり、幕府の政治中枢のすべてがここに集められました。

応永元年(1394年)に 足利義満 は将軍職を子の 義持 に譲りました。ただ実際の権力は手放さず、北山殿に居て政務を執行していました。

応永6年(1399年)には金閣寺舎利殿の初代建物が完成したと推定されています。

応永15年5月6日(1408年5月31日)義満が死亡すると、義持が「北山第」に入ったが、翌年別な場所に出ていきました。

上記の経緯からも読み取れるように、元々は、藤原氏の系譜を下ってみたように、「西園寺」を持つ「西園寺家」の所領であった「北山第」を室町幕府3代征夷大将軍 足利 義満が譲り受けて以降、継室の日野康子が余生を過ごした。つまり、元々の御祭神と氏子は、それぞれ春日明神と西園寺家(藤原氏)という関係にあった。

鹿苑寺(金閣寺)と春日明神

更に時代を進むと、その後の「北山第」は義満の妻(継室)である北山院日野康子の御所となっていたが、応永26年(1419年)11月に日野康子が死亡。舎利殿以外の寝殿等は解体され、南禅寺や建仁寺に寄贈された。

応永年(1420年)に北山第は義満の遺言により禅寺とされ、義満の法号「鹿苑院殿」から鹿苑寺と名付けられた

後から建立られた、鹿苑寺(金閣寺)であったが、春日明神を取り壊すことなく、鹿苑寺(金閣寺)の守護神として祀られ続けることになったと考えられます。それが、現在の金閣寺の境内にある榊雲(しんうん)の御祭神が、春日明神になります。

まとめ

現在も金閣寺を守護している「榊雲(しんうん)」の存在経緯を辿ることによって、金閣寺の建立の経緯や誰が関連していたのかなど、概要がお分かりいただけましたでしょうか?

また、春日明神が金閣寺の守護神である経緯についても説明しました。「榊雲(しんうん)」は、金閣寺の参詣順路の最初に出てくる売店の裏に隠れるようにひっそりと鎮座されており、多くの参詣者は見過ごしてしまうと思います。

ぜひ、気にして探して、手を合わせてみてください。「榊雲(しんうん)」の立て札もありますので気にしていればすぐに分かると思います。

金閣寺の特別御朱印や金閣(舎利殿)を中心とした見どころ、概要、アクセスなどは以下をぜひご覧ください。

京都 金閣寺・鹿苑寺
金閣寺|「金」の限定御朱印と舎利殿の紹介、拝観料やアクセス等の事前確認事項にお答えします

続きを見る

売れているもの、買いたいと思われるものを表示


楽天トラベルの人気ランキング

参詣の後にゆっくりと食事を

ご覧いただきありがとうございます。感謝です。ついでにボタンも押していただけませんでしょうか?

-世界文化遺産, 京都, 関西
-