スサノオノミコト(素戔嗚命)についてのまとめ
神社を巡り、御朱印を拝受するようになって少し神社の「御祭神」って?
「ご利益とはどういうところから来ているの?」などの疑問を持たれる方も多少はいらっしゃると思います。
私自身もそうでした。このブログでも基本的なことも幾つか投稿しております。
今回はタイトルと通り、ズバリ、スサノオノミコト(素戔嗚命)についてのまとめです。
目的
・神社の御祭神でスサノオノミコトがでてきたときにリンクして参照できるように概要をまとめます
・身近に感じられない恐ろしい面と、身近に感じ崇敬する面の二面性を持つところに惹かれます。二面性の観点での詳細化も行いたいと思います。
出生の話
日本書紀では、添付している系図のように、
伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊奘冉尊(いざなみのみこと)が、天照大神(あまてらすおおみかみ)を生み、この子は、国中を照らすように光を発した。
次に月の神、次に蛭児(ヒルコ)を生んだ。蛭児(ヒルコ)は三年経っても足が立たなかったため、船に乗せて、風のままに放流した。
次に素戔嗚尊(すさのおのみこと)を生んだ。
素戔嗚尊(すさのおのみこと)は勇ましくて荒々しく、残忍なことも平気な方でした。青々とした山を枯山にしてしまった。
一方では、常に泣きわめくこともあり、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊奘冉尊(いざなみのみこと)は、
「考えや行動が道理にはずれ、人の道にそむいた暴悪非道なふるまいをする。
だから天下を治めることができないので、遠い根の国に行くようにと言い追放した。
2面性(暴挙)
天照大神(あまてらすおおみかみ)は神田を作られていたましたが、素戔嗚尊(すさのおのみこと)は春は種を重ね播きし、あるいは田の畔(あぜ)を壊したりした。
秋には馬を放して、田の中を荒らさせてしまいました。
天照大神が新嘗祭(にいなめさい:新穀を神にお供えする祭事)を催行されているときに、こっそりとその部屋に糞をした。
稚日女尊(わかひるめのみこと)が機殿(はたどの)で、神衣を織られていた。
素戔嗚尊はそれを見て、馬の皮を剝いで、部屋の中に投げ入れた。
稚日女尊(わかひるめのみこと)は驚かれて機(はた)から落ちて、持っていた梭(ひ:機織りで、よこ糸を巻いた管を入れて、たて糸の中をくぐらせる、小さい舟形のもの。)で身体を傷つけられて死なれた。
天照大神は、このことによって怒られて、「天の岩屋」(あまのいわや)に入られて、磐戸(いわと)を閉じ、こもってしまわれる、という話に続きます。
大変な傍若無人ぶりにとうとう追放されることになります。そのときに八百万の神々から償いをさせられて長く伸びた髭(ひげ)や手足の爪を切られることになります。
この行為は古代においては、穢れを落とす禊祓(みそぎはらい)と同様の意味を持つものでした。
このことが契機となって清らかな身体・心をもつようになったと見ることができると思います。
この儀式を受けたあとの素戔嗚尊(すさのおのみこと)はこれまでとは全く違う行動になるからです。
2面性(英雄)
素戔嗚尊は、天から出雲の国の、簸(ひ)の川のほとりにお降りになった。
すると、川のほとりで悲しみ泣いている声がした・・・・・・
有名な「八岐大蛇」の話につながります。すっかり善人になった素戔嗚尊は、奇稲田姫(くしなだひめ)を神聖な爪櫛(つまぐし)に変えて、自分の髪に差し、用意させた酒を八岐大蛇が
飲み、酔って眠ったので剣を抜き、その蛇を斬った。
地上に降り立って大蛇を斬り殺したことで一躍正当なスターに大変貌を遂げることになります。
娘を助け、自分の妻として幸せな結婚生活を送ることになるのです。
結婚生活に良い場所を探し、出雲の須賀(すが)に着かれた。
そこで、
「ああ、私の心は清々しい」
と言われた。それでこの地を現在、「すが」と呼んでいます。
そしてそこに宮を建てたて、
そのとき、素戔嗚尊は、
八雲立つ 出雲八重垣(やえがき) 妻籠(つまご)みに 八重垣作る その八重垣を
「重なり合うように雲が立ちのぼる ここ出雲に立ち上るのは八重垣のような雲である。妻と生活を送る場所に、八重垣を作りましょう。そうです八重垣を。」
と歌った。
新婚の2人の新居を称える歌として民間で伝わってきたものと言われていますが、いつのまにか素戔嗚命の歌に変わり、
日本で最初の歌を詠んだのが素戔嗚命である、という伝承になりました。
この一連の流れから、学問上達や縁結びの神としての信仰が生まれ、初期の素戔嗚命とはまったく異なる性質の神へと変貌したのです。
素戔嗚命の中でこの2面性が両立しているところが非常に興味深い部分です。この前段の粗暴とも言えるような強靭さがあってこその話が続きます。
八坂神社さんと素戔嗚命との関係はこの2面性を信仰の中で体現していると感じます。
八坂神社さんと言えば、祭礼の祇園祭です。
メモ
祇園祭は数々の三大祭の一つに挙げられる。
京都三大祭(他は上賀茂神社・下鴨神社の葵祭、平安神宮の時代祭)
日本三大祭(他は大阪の天神祭、東京の山王祭、神田祭)
日本三大曳山祭(他は岐阜県高山市の高山祭、埼玉県秩父市の秩父夜祭)
日本三大美祭(他は前述の高山祭と秩父夜祭)のうちの一つであり、日本を代表する祭りである。
ここでは、素戔嗚命は牛頭天王(ごずてんのう)として信仰されてきた。神様と仏様を一体とする神仏習合(しんぶつしゅうごう)の性質が強く現れている。
いずれにしても、素戔嗚命=牛頭天王は、強力なパワーの荒々しさで疫病を退散させるチカラをもつ疫病除けの神様として崇拝されてきた。
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