神社参拝していると、神社の鳥居の横に、大きな石造りの社標がたっており、「官幣大社 xx神社」などと表記されていることがある。
戦後は、伊勢神宮は別格として他の神社は全て対等と位置づけられている。
その中にあっても、神社の「格」、「順序」を付けたくなるのは誰しもが同じで、過去の「格」をそのまま現代に持ち込んで議論しているのが実態です。
最古の社格としての式内社(延喜式神名帳:えんぎしき じんみょうちょう)
醍醐天皇は和歌の振興に力を入れ、延喜5年(905年)に『古今和歌集』の撰進を紀貫之らに命じたその年から
律・令・格の施行細則を集成した法典「延喜式」の編纂も命じられていた。
これが、延長5年(927年)にまとめら、その巻九・十のことで、当時「官社」に指定されていた全国の神社一覧。
延喜式神名帳に記載された神社(式内社)は全国2861社で、そこに鎮座する神の数は3132座。
(社数は、神社の数のこと、座数は鎮座する神様の数のことです)
その選定の背景には政治色は出てきている。
当時すでに存在したが延喜式神名帳に記載がない神社を式外社(しきげしゃ)と呼びます。
式外社には、朝廷の勢力範囲外の神社や、独自の勢力を持った神社(熊野那智大社など)、
また、神仏習合により仏を祀る寺となった神社、僧侶が管理した神社(石清水八幡宮など)、正式な社殿がなかった神社などが含まれる。
数をまとめると以下の資料のようになるが、その明細については、膨大な数になるので、一部を抜き出してきた(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
名神大社(みょうじんたいしゃ)
とは、日本の律令制下において、名神祭の対象となる神々(名神)を祀る神社。
名神祭(みょうじんさい)は国家的事変が起こり、またはその発生が予想される際に、その解決を祈願するための臨時の国家祭祀。
神名帳 | 比定社 | 集成 | |||||
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社名 | 読み | 格 | 付記 | 社名 | 所在地 | 備考 | |
乙訓郡 19座(大5座・小14座) | |||||||
羽束師坐高御産日神社 | ハヅカシニマスタカミムスヒノ | 大 | 月次新嘗 | 羽束師坐高御産日神社 | 京都府京都市伏見区羽束師志水町 | [1] | |
与杼神社 | ヨドノ | 小 | 與杼神社 | 京都府京都市伏見区淀本町 | |||
大井神社 | オホイノ オホヰノ |
小 | (論)大井神社 | 京都府京都市右京区嵯峨 | |||
乙訓坐火雷神社 (乙訓坐大雷神社) |
オトクニニマスオホイカツチノ | 名神大 | 月次新嘗 | (論)角宮神社 | 京都府長岡京市井ノ内 | [2] | |
(参)合祀:向日神社 | 京都府向日市向日町 | ||||||
石作神社 | イシツクリノ | 小 | 合祀:大歳神社 | 京都府京都市西京区大原野灰方町 | |||
走田神社 | ハシリタノ | 小 | 走田神社 | 京都府長岡京市奥海印寺 | |||
御谷神社 | ミタニノ | 小 | 御谷神社 | 京都府長岡京市浄土谷 | |||
国中神社 | クナカノ | 小 | 綾戸國中神社 | 京都府京都市南区久世上久世町 | |||
向神社 | ムカヘノ ムカフノ |
小 | 向日神社 | 京都府向日市向日町 | |||
大歳神社 | オホトシノ | 大 | 月次新嘗 | 大歳神社 | 京都府京都市西京区大原野灰方町 | [3] | |
茨田神社 | マタノ | 小 | (参)茨田神社 | 京都府京都市南区久世築山町 | 菱妻神社境内社 | ||
石井神社 | イハイノ イハヰノ |
小 | 石井神社 | 京都府京都市西京区大原野石作町 | |||
神川神社 | カムカハノ | 小 | 神川神社 | 京都府京都市伏見区羽束師鴨川町 | |||
久何神社 | コガノ クカノ |
小 | 久我神社 | 京都府京都市伏見区久我森ノ宮町 | |||
簀原神社 | スハラノ | 小 | (参)簀原神社 | 京都府京都市南区久世築山町 | 菱妻神社境内社 | ||
小倉神社 | ヲクラノ | 大 | 月次新嘗 | 小倉神社 | 京都府乙訓郡大山崎町円明寺 | [4] | |
入野神社 | イリノ | 小 | 入野神社 | 京都府京都市西京区大原野上羽町 | |||
自玉手祭来酒解神社 | タマテヨリマツリキタルサカトケノ | 名神大 | 月次新嘗 元名山埼社 |
自玉手祭来酒解神社 | 京都府乙訓郡大山崎町天王 | [5] | |
神足神社 | カウダニノ カムタリ |
小 | 神足神社 | 京都府長岡京市東神足 |
二十二社
律令制のもとで、神社は国家で管理されていたが、平安時代中期以降は畿内と地方で管掌が分かれるようになる。朝廷から奉幣を受ける重要な二十二社が定められた。
地方においては、国単位で「一の宮」「二の宮」「三の宮」と制定された
国家の重大事、天変地異の時などに朝廷から特別の奉幣を受けた。平安時代後期、後朱雀天皇治世の長暦3年(1039年)に22社目の日吉社が加わり、白河天皇治世の永保元年(1081年)に制度としての二十二社が確立したとされる。京から見て遠方の神社ではなく、主に畿内の神社から選ばれた。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
記載社名 | 現在 | 社格 | |||||
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社名 | 所在地 | 式内社 | 一宮 | 近代 | 勅祭 | 別表 | |
上七社 | |||||||
太神宮 | 神宮(伊勢神宮) | 三重県伊勢市 | 大 | 神宮 | |||
石清水 | 石清水八幡宮 | 京都府八幡市 | 国史 | 官大 | 勅祭 | 別表 | |
賀茂 | 賀茂別雷神社(上賀茂神社) | 京都府京都市北区 | 名神大 | 山城国 | 官大 | 勅祭 | 別表 |
賀茂御祖神社(下鴨神社) | 京都府京都市左京区 | 名神大 | 官大 | 勅祭 | 別表 | ||
松尾 | 松尾大社 | 京都府京都市西京区 | 名神大 | 官大 | 別表 | ||
平埜 | 平野神社 | 京都府京都市北区 | 名神大 | 官大 | 別表 | ||
稲荷 | 伏見稲荷大社 | 京都府京都市伏見区 | 名神大 | 官大 | |||
春日 | 春日大社 | 奈良県奈良市 | 名神大 | 官大 | 勅祭 | 別表 | |
中七社 | |||||||
大原野 | 大原野神社 | 京都府京都市西京区 | 国史 | 官中 | 別表 | ||
大神 | 大神神社 | 奈良県桜井市 | 名神大 | 大和国 | 官大 | 別表 | |
石上 | 石上神宮 | 奈良県天理市 | 名神大 | 官大 | 別表 | ||
大和 | 大和神社 | 奈良県天理市 | 名神大 | 官大 | 別表 | ||
廣瀬 | 廣瀬大社 | 奈良県北葛城郡河合町 | 名神大 | 官大 | 別表 | ||
龍田 | 龍田大社 | 奈良県生駒郡三郷町 | 名神大 | 官大 | 別表 | ||
住吉 | 住吉大社 | 大阪府大阪市住吉区 | 名神大 | 摂津国 | 官大 | 別表 | |
下八社 | |||||||
日吉 | 日吉大社 | 滋賀県大津市 | 名神大 | 官大 | 別表 | ||
梅宮 | 梅宮大社 | 京都府京都市右京区 | 名神大 | 官中 | |||
吉田 | 吉田神社 | 京都府京都市左京区 | 式外 | 官中 | 別表 | ||
廣田 | 廣田神社 | 兵庫県西宮市 | 名神大 | 官大 | 別表 | ||
祇園 | 八坂神社 | 京都府京都市東山区 | 式外 | 官大 | 別表 | ||
北野 | 北野天満宮 | 京都府京都市上京区 | 式外 | 官中 | 別表 | ||
丹生 | 丹生川上神社(中社) | 奈良県吉野郡東吉野村 | 名神大 | 官大 | 別表 | ||
丹生川上神社上社 | 奈良県吉野郡川上村 | 別表 | |||||
丹生川上神社下社 | 奈良県吉野郡下市町 | 別表 | |||||
貴布禰 | 貴船神社 | 京都府京都市左京区 | 名神大 | 官中 | 別表 |
近代社格制度(きんだいしゃかくせいど)
明治維新以降、『延喜式』にならい、新たに神社を等級化した制度。第二次世界大戦後に廃止されたが、「旧社格」などの名称で神社の格を表す目安とされる。
官社の社格の順[編集]
官国幣社(官社)については、官幣社は国幣社よりも格が上とされ、それぞれ大・中・小の順に格が下がる。
『神道辞典』などによると、官幣大社>国幣大社>官幣中社>国幣中社>官幣小社>国幣小社>別格官幣社 となるが、官幣中社と国幣大社はどちらが上かなどの明確な規定はない。
別格官幣社[編集]
後に、国家に功績を挙げた忠臣や、国家のために亡くなった武将・志士・兵士などを祭神として祀る神社のために別格官幣社が創設され、明治5年(1872年)に楠木正成を主祭神とする湊川神社が初の別格官幣社に列格。
別格官幣社は官幣小社と待遇は同じであるが、国幣小社よりも上位とされた規定はない。
なお、臣下であった菅原道真を主祭神とする天満宮は天神信仰によって祭神は雷神と同一視されたため、北野神社(現・北野天満宮)と太宰府神社(現・太宰府天満宮)の2社が例外的に別格官幣社ではなく待遇が上となる官幣中社に列した。